SPECIAL 02
プロジェクトK
「木造建築で大空間を
実現したい」という
お客様の思いに応えるために。
LVLの新製品開発プロジェクトの
裏側に迫る
木造建築の可能性を大きく広げるキーテックの新製品たちは、どのようなきっかけで生まれ、どのようなプロセスを経て、世の中に誕生するのだろう。今回は長年、キーテックの新製品開発の最前線に立ち続ける営業と営業開発の2名に登場してもらい、新製品開発に至るまでの裏側を話してもらった。
PROJECT MEMBER
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LVL営業部
長橋 一洋NAGAHASHI KAZUHIRO
2005年中途入社
キーテック木更津工場で生産しているLVL製品の販売を担当。お客様からの様々な要望に応えるため、日本中を飛び回っている。
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営業開発部
李 元羽LEE WONWOO
2006年新卒入社
大学・大学院で木質材料と木質構造を研究し、技術開発、製品開発の即戦力として入社。LVL協会の技術部長を長年務めている。
「あの技術が使える」と
思ったものの、
いくつもの壁が立ちはだかった。
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そもそも、LVLの新商品は
どのようなきっかけで
生まれるのですか?-
長橋
やはり、最も多いのは、お客様の要望です。たとえば、「キーラム ジョイスト」という木質構造材料の新商品が誕生したきっかけは、大手住宅メーカーの担当者から「木造建築の住宅で、より大空間のリビングを実現したい。そのための床根太となる木質構造材料を開発してくれないか」というご相談が始まりでした。
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李
通常、木質材料の強度などの問題から最大5メートルのスパンを支えるのが限界だったところを、7メートルを超えるものにしてほしいというご相談でした。ちなみに当時、国産の材料かつ安価でそのご要望に応えられるものはなく、お客様は当社の新商品に期待するか、アメリカの木質構造材料を使うかで迷っていました。
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お二人は、その話を聞いたとき、
すぐ実現できると思ったのですか?-
李
社内ですでに開発が進んでいる技術があり、その技術を用いれば実現できるのではと思いました。とくに、LVLはヤング強度と呼ばれる上からの曲げに対して強く、無垢材よりも品質を安定できる強みもありましたからね。
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長橋
でも、いざ取り掛かると、いくつもの壁が立ちはだかりましたよね?
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李
そうですね。まず、その住宅メーカーの家づくりの特性上、梁で使う木質材料に穴を開ける必要がありました。通常、穴を開ければ、当然、強度は落ちます。それを落とさずに保つための工夫が必要でした。
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長橋
それから、この時はお客様から要求される数値も高かったですね。強度だけでなく、量産のしやすさ、施工のしやすさといった数値も求められました。あと、営業的にはコストですよね。ここの調整にも苦労しました。
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最後の試験に合格したときは、
「たどり着いた」という気持ちに。
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最終的に、
新商品として採用されるまでに、
どのくらいかかったのですか?-
李
お客様の社内での実験や解析も含めると、約1年間です。最後は、この新商品を使って建てたモデルルームで2階部分を歩いたときの床の振動などもチェックしました。理論上は問題がないとわかっていても、やはり実際の建物での試験となると結果が出るまで緊張しましたね。
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長橋
無事に試験に合格した瞬間は、うれしいというより、ホッとしたという気持ちが大きかったのを覚えています。
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李
ようやく、たどり着いたという感じでしたよね(笑)。
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長橋
はい。でも、私たち以上にお客様が一番喜んでくださり、これまでの苦労が報われた気がしました。あと、この新商品は後々のクレームが少ないことでも評判です。木造建築で広いスパンを実現しようとすると、普通はどうしても振動が起こりやすくなりますからね。
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「木造ではあきらめていたけれど」「次はこういう提案を」
という言葉がうれしい。
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なるほど。
LVLの強度を物語る話ですね。
では一つの新商品を開発したあとは、
お二人はどのような動きを
するのですか?-
長橋
営業は、住宅メーカーや建設会社、設計事務所といったところに、その新商品を売り込みにいきます。また、当社の場合、お客様からお問い合わせを受けることも多いのですが、その際は営業がすぐに向かいます。また、技術的な説明が必要な場合は、李さんにもついてきてもらいます。
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李
そうですね。とくに、東日本に比べて、西日本はまだLVL自体が浸透していないこともあり、LVLとは何なのかといった基本的なことからご説明することもあります。
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長橋
お客様の中にはLVLの説明を受けて「木造ではあきらめていたけれど…」と喜んでくださる方もいて、そうした方々は一度使ってその性能の高さを実感したら、「次はこういう物件があるんだけど、提案してくれない?」とまたお問い合わせをくださるのです。
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うれしいですね。
ちなみに、李さんはまた別の
新商品の開発にも
すぐ取り組み始めるのですか?-
李
開発チームは常に新しい商品、新しい技術を開発し続けています。構造材以外にも、たとえば、「LVLの表面のストライプの模様が面白いね」と思ったら、その模様を生かした内装材を開発したり。LVLの特性を活かしながら、新しい価値を生み出し続けているのです。
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「やりたい」と手を挙げれば、
いろいろなことに
チャレンジさせてくれる。
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では、改めて、
営業と開発というそれぞれの立場から、
キーテックで働く魅力を
教えてもらえますか?-
長橋
LVLをつくっている会社は多くないため、営業は独自性のあるいい商品をお客様にご案内することができます。また、私たちの商品は実力の割に知名度が低いため、営業は苦労しますが、その分、提案を受け入れてもらえたときの喜びも大きいですね。あ、あと、キーテックの営業は、日本各地に行くことができます(笑)。
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李
開発チームとしては、いろいろなことにチャレンジさせてくれる環境がありがたいですね。やりたいことがある人には向いています。自分の開発した商品が世の中に出るチャンスは相当に大きいと思います。
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長橋
国産の木質材料に対する社会的なニーズも高まっていますからね。キーテックのLVLはまだまだもっと売れていい商品です。営業としても、日本中に広めていきたいですね。
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李
たしかに。現在、木材産業の市場規模は約3兆円くらいですが、産業規模もまだ大きくなると思います。あわせて、キーテックという会社の売り上げも現在の100億円から500億円、1000億円と上げていきたいですね。そのくらいのポテンシャルが、この会社にはあると思っています。
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最後に。お二人はどのような
新入社員と働きたいですか?-
長橋
自分たちの商品を好きになってくれる人、そして、特色のある人。この会社の営業の仕事は売って終わりではありません。お客様に様々なご提案をしながら、じっくりお付き合いできる人と一緒に働きたいですね。
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李
開発は、辞めない人です(笑)。最初は我慢が必要な時期もあると思いますが、若いうちから成長できる会社です。ぜひ、一緒に新商品を生み出しましょう。
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お二人とも、本日はお忙しい中、
ありがとうございました。